脚本には、彫像型と塑像型があるらしい。
素材からいらない部分を削っていく前者と、骨組みに粘土を張り付けていく後者。
多分、足利脚本は塑像型だ。
綿密に設計された骨組み。
そこに粘土を張り付けるのだが、その粘土が普通ではない。
ゼリーみたいにぷるぷるしていたかと思えば、湿度が上がると溶けてしまう。
光を反射したり、しなかったり。
気温によって色が変わる。
誰も見ていないところで、ひとりでに動き出す。
しかし、この粘土、骨組みから剥がれ落ちる事だけはない。
骨組みも崩れたりしない。
形が変わる事はあっても、倒れない。
丈夫な骨格ゆえに、不思議な粘土が使用可能なのかもしれない。
シュールなのか、ベタなのか、ナンセンスと言われるものなのか、全部を含んでいるような、
でもどれとも違うような、簡単には分類できない笑い。
分別できなくて部屋にずっとあるゴミのように、負味はあなたの心に残り続ける。
そして、ゴミを捨てられないあなたは、あんまり出世とかできない。
観に来てごらんなさい。
そして分類してみましょう。
捨てるかどうかは、それから考えればいいじゃないですか。
主宰 塩瀬篤也